ゴミ屋敷は、アレルギー症状を悪化させる大きな要因となります。今回は、アレルギー専門医のC先生に、ゴミ屋敷とアレルギーの関係性について詳しく解説していただきます。C先生によると、ゴミ屋敷は、アレルギーの原因となる物質（アレルゲン）の宝庫だそうです。ホコリ、カビ、ダニ、ペットの毛、花粉など、様々なアレルゲンが大量に存在しています。これらのアレルゲンは、空気中に浮遊したり、布団やカーペットなどに付着したりして、私たちの体内に侵入します。アレルゲンが体内に入り込むと、免疫システムは異物を排除しようと、IgE抗体と呼ばれる物質を作り出します。IgE抗体は、マスト細胞と呼ばれる細胞と結合し、ヒスタミンなどの化学物質を放出します。これらの化学物質が、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、皮膚のかゆみ、喘息発作などのアレルギー症状を引き起こします。ゴミ屋敷では、アレルゲンが常に大量に存在するため、アレルギー体質の人は、症状が慢性化したり、悪化したりしやすくなります。また、アレルギー体質でない人でも、長期間アレルゲンにさらされることで、新たにアレルギーを発症する可能性があります。C先生は、「ゴミ屋敷を放置すると、アレルギー症状が悪化するだけでなく、新たなアレルギーを発症するリスクも高まります」と警告します。そして、「アレルギー症状を改善するためには、まず、ゴミ屋敷を片付け、アレルゲンを徹底的に除去することが重要です」と強調します。C先生は、ゴミ屋敷の片付けを行う際には、マスクや手袋を着用し、アレルゲンを吸い込んだり、皮膚に触れたりしないように注意することを勧めています。また、掃除機は、HEPAフィルター付きのものを使用し、排気によってアレルゲンが再飛散するのを防ぐことが大切です。C先生は、「もし、自分一人でゴミ屋敷の片付けが難しい場合は、専門業者のサポートを受けることも検討しましょう」とアドバイスしています。専門業者は、アレルゲンの除去に特化した清掃方法や機器を使用するため、より効果的にアレルギー症状を改善することができます。