ゴミ屋敷は、単なる片付けられない性格の問題ではなく、精神疾患が関係している場合があります。ここでは、ゴミ屋敷と関連性が指摘されている精神疾患について解説します。まず、最も関連性が高いとされているのが、「ためこみ症（強迫性貯蔵症）」です。ためこみ症は、物を捨てることに強い苦痛を感じ、過剰に物を溜め込んでしまう精神疾患です。物を捨てることへの不安や恐怖、物を失うことへの喪失感などが原因で、物を捨てることができません。また、「注意欠陥・多動性障害（ADHD）」も、ゴミ屋敷と関連があると言われています。ADHDの特性である、注意力の欠如、衝動性、多動性などが、片付けを困難にし、ゴミ屋敷化を招くことがあります。計画的に物事を進めるのが苦手だったり、集中力が続かなかったりするため、片付けを始めても途中で挫折してしまうことが多いです。さらに、「うつ病」も、ゴミ屋敷の原因となることがあります。うつ病になると、意欲や気力が低下し、身の回りのことに無関心になります。そのため、掃除や片付けができなくなり、ゴミ屋敷化してしまうことがあります。その他にも、「統合失調症」や「認知症」などの精神疾患が、ゴミ屋敷と関連している場合があります。これらの精神疾患は、判断力や理解力の低下、妄想や幻覚などの症状を伴うことがあり、ゴミ屋敷化を招く可能性があります。もし、ゴミ屋敷の背景に精神疾患が疑われる場合は、専門機関に相談することが重要です。精神科や心療内科を受診し、適切な診断と治療を受けることで、症状が改善し、ゴミ屋敷から脱出できる可能性があります。また、精神疾患を抱えている人の家族や周囲の人は、本人の気持ちを理解し、サポートすることが大切です。無理に片付けをさせたり、責めたりするのではなく、寄り添い、共に解決策を探していく姿勢が求められます。