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引っ越しと段ボールゴキブリの悪夢
新しい生活への期待に胸を膨らませる引っ越し。しかし、その過程で大量に使用される段ボールが、新居に悪夢の使者、ゴキブリを運び込むトリガーになることがあります。引っ越しという非日常的なイベントの中で、私たちはこのリスクに対して無防備になりがちです。引っ越しにおけるゴキブリ問題には、二つのパターンが考えられます。一つは、「旧居から新居へゴキブリを連れて行ってしまう」ケースです。もし、あなたが今住んでいる家にゴキブリが潜んでいる場合、荷造りのために用意した段ボールは、彼らにとって新たな隠れ家となります。あなたが本や衣類を詰めている間に、ゴキブリの成虫や、あるいは卵鞘が、荷物と一緒に段ボールの中に紛れ込んでしまうのです。そして、あなたはそれに気づかないまま段ボールを封印し、新居へと運び込んでしまいます。新居で荷解きをした瞬間、あるいは数日経ってから、彼らは新たな環境で活動を開始します。せっかくの新生活が、スタートと同時にゴキブリとの戦いで幕を開けることになってしまうのです。もう一つのパターンは、「引っ越し業者が用意した中古の段ボールに潜んでいた」ケースです。コスト削減のために、リサイクルされた中古の段ボールを利用する引っ越しプランがあります。しかし、その段ボールが以前どのような環境で使われ、保管されていたかは分かりません。ゴキブリが生息していた家庭や倉庫で使われていた可能性も否定できず、卵鞘が付着したままになっている危険性があります。これらの悪夢を避けるためには、いくつかの対策が必要です。まず、荷造りの際は、できるだけ新品の段ボールを使用するのが最も安全です。そして、荷物を詰める前に、段ボールを一度広げて内部に虫や卵が付いていないかを確認する習慣をつけましょう。旧居にゴキブリがいることが分かっている場合は、荷造りをする前に、くん煙剤などで家全体の駆除を行っておくのが理想です。新しい門出を不快な害虫に邪魔されないために、引っ越しの際の段ボールの取り扱いには、細心の注意を払うべきなのです。